千明@満願時

満願時[横須賀風物100選]

佐原十朗義連の開基による臨済宗建長寺派のお寺。
寿永3年(1184年)2月、義連19才の時、平家追討のため源頼朝に仕えるさい、自分の姿を観音菩薩像として運慶に掘らせたと伝わっています。
義連は三浦大介義明の子として生まれ、19の年に源平合戦に参戦しました。「ひよどり越え」では一番乗りの手柄をたてた勇者で、弓の名手でもあります。また、頼朝の護衛や北条政子の弟、時連の元服の折烏帽親を勤めるなど信頼を集めていました。
三浦古尋録より 佐原十朗ヲ観音ニ祭リ 巴御前ヲ地蔵ニ祭リ 和田ノ義盛ヲ毘沙門ニ祭リ 朝比奈ノ三郎ヲ不動ニ祭ルト云四尊トモ運慶の作
建九2年(1191年)75才で死去。その墓は、鎌倉様式でもある五輪塔として構成されているが、五輪塔の構成要素である空・風・火・水・地の内、空・風・地の部分は後で補われたと伝わっている。


毘沙門天

右が観音菩薩、左が地蔵菩薩

不動明王
観音菩薩像国指定重要文化財:高さ224.2cm。寄せ木作り、玉眼入。少し腰をひねり、右足を前に出し、膝を軽く曲げ、穏やかな表情の中にも張りのある男性的な逞しさを感じる。手に持つハスの花や、光背、岩座は後に造られたもの。高い髻、豊かな顔は浄楽寺像(運慶作)に似ているが衣文のひだに複雑性がなく地方的影響も見られるので、運慶の影響を受けた鎌倉地方仏師の作と言われている。
地蔵菩薩像国指定重要文化財:高さ203.7cm。寄せ木作り、玉眼入。左足を幾分後ろに引き、顔をやや斜め左方へ向けた姿勢をとる。張りの有る頬、切れ長伏し目がちの目、引き締まった口に若々しさを感じる。左手の宝珠、右手の錫杖を持つ通常の姿であるが、宝珠、錫杖、光背、岩座は後に造られたもの。高い髻、豊かな顔は浄楽寺像(運慶作)に似ているが衣文のひだに複雑性がなく地方的影響も見られるので、運慶の影響を受けた鎌倉地方仏師の作と言われている。観音菩薩像と同じ作者と思われる。
毘沙門天像市指定重要文化財:高さ163cm。寄せ木作り、玉眼入。邪気の上に立つ。力強さはあるものの、身のこなしが固く動きが感じられない。鎌倉地方仏師の作と思われる。
不動明王像市指定重要文化財:高さ163cm。寄せ木作り、玉眼入。右手に宝刀、左手に羂索を持つ。力強さはあるものの、身のこなしが固く動きが感じられない。鎌倉地方仏師の作と思われる。
中島三郎助筆による芭蕉句牌市民文化資産:慶応2年(1866年)三月に建立される。揮毫は中島三郎助により、芭蕉の句が刻まれている。中島三郎助本人の筆跡が残る貴重な碑。
先たのむ椎の木もあり
夏木立はせを


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