ロータリーバルブのばらし方
金管楽器奏者(特にホルニスト)の皆さんの中でロータリーバルブの調子が悪くて,自分で分解するのは恐いので修理に出そうと思われている方はいませんでしょうか.
私の所属していた吹奏楽団に楽器屋さんがおりまして,その方からロータリーバルブの分解組み立て方を聞いて実践してみましたので報告します.
私の場合はフレンチホルンでしたが、やってみると以外と簡単でした.
これで私も,ロータリーバルブの不安から解放されました.
レバーとキャップを取ったロータリーバルブを横から見た図
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(裏側) | || (表側)
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作業手順
- まず、ロータリーの紐を外します。そして、レバーのストッパーを押さえている小さいネジを一つ外します。これは内部が気密なのでそこから空気が入るようにするためです。
- レバーとキャップを取った状態で,裏に出ている支柱を『きづち』でたたき出します.この時の力加減は,『きづち』の自重+少々程度(いわゆる楽器が変形しない程度)です.又、きづちの打撃角度がロータリーの軸に対してまっすぐになってないと、少しの力でも少しずつ軸が曲がっていきます。
- 根気良く(短い場合は2,3発で長くても30分)たたいていると,表側に『押え蓋』ともにバルブ本体が抜けます.この時、下には手を当ててショックを吸収するようにしておくと良いと思います。又、こうしておくと不意にローターが抜けても下に落ちる事を防げます。
私の場合は畳の上であぐらをかき、そこに楽器を乗せて作業していました。
- バルブが抜けたら,バルブと『押え蓋』の掃除をしてあげます.調子の悪いバルブは,錆や積もり積もったゴミがこびり付いていると思いますので徹底的に取って下さい.(楽器本体側も忘れずに)
(私はまず台所クレンザー(ステンレスにも傷が付かないと言われている物にして下さい)で磨いて,それでも取れない部分は『きり』を使って削り取りました)
- 掃除が終了したら,バルブを楽器本体に戻し,『押え蓋』をします.『押え蓋』には切り込みが入っていると思いますので,楽器本体側の切り込みと合わせる様にします.そして,軽く指で押える程度で良いでしょう.
- ここの過程が調整のいる過程となります.
『押え蓋』の周辺を間接的に『きづち』でたたきながら『押え蓋』を打ち込んでいきます.この時,焦らずに『押え蓋』の周囲をマンベンなく叩いていきます.が,この
作業はバルブの軸線を決める事にもなるので,最終的にはバルブの回転具合を調べながら,右側をコンコン,左側をコンコン等と叩いて調整します.
時間がない場合は、押え蓋の上からキャップして、キャップを直接叩くという荒っぽい方法もありますが、この様な作業は落ちついて出きるときにするのが無難です。
『押え蓋』の調整
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| | (『きづち』)
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││ (割箸など)
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(『押え蓋』)
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