それは昔、今のように一般家庭にパソコンも、ましてやインターネットも無い時代に、
情報をもっとビジュアルに伝えたい(当時のレベルでの「もっと」です)と言う気持ちから、
一般家庭のTVをモニターとし一般公衆網上に絵(単純な図形)、文字、音声を送信し、かつ、家庭からの情報選択を可能にした(今で言うオンデマンド)システムです。
家庭では一般公衆網とTVを結ぶ専用受信機を用意します。今で言えばさながらNC(ネットワークコンピュータ)では無いでしょうか。
しかし、回線のあまりの遅さと、それをカバーするためにか絵の幼稚さと、内容があまりにも先進すぎるための必要性の低さで、はっきりいって失敗プロジェクトでした。
しかし、そのおかげでISDNも花が咲き、インターネットブームも活気付いているのです。今になって、当時の方向性が正しかった事が認めらた様なものです。
今となってはキャプテンも、インターネットとWWWのスクラムに押潰されてしまい、自然消滅したと思っていました。
が、「キャプテンシステムによるアンケートモニター募集」のお知らせを新聞で見つけ、
驚きと、何で今ごろと興味が湧き、応募してみたところ採用されてしまいました。
採用に伴い、'96年8月30日にキャプテンシステムに欠かせない、TVと一般公衆網をつなげる「Multimedia access Network adapter」が届いたので、レポートしたいと思います。
96年8月30日金曜日NTTビジュアル通信から、煎餅の贈答缶が入るぐらいの段ボール箱が届いた。
ビデオプレーヤーの梱包箱程の大きさを予想していたので最初何が入っているのかピントこなかった。
へ~、と思いながら箱を開けると、キャプテンシステム装置本体(MaNa:マナー)とリモコン、電源アダプタ、モジュラーケーブルが入っていた。
本体 | 「Multimedia access Network adapter MaNa」 DC6V 800mA 5W 製造番号0629 回線認定番号S93-3165-0 製造 ZEAL CORPORATION | |
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付属品 | ACアダプタ(IN 100V 50/60Hz, OUT 6V 800mA) 単3電池本(リモコン用) AVケーブル(audio,video 1.5m) モジュラーケーブル(5m) モジュラーケーブル二股アダプタ Mana用リモコン |
ハードの事は良くわからないが、リモコンの受光部は拡張ボードとして基盤上のソケットにささっていた。
この、ソケットのささり具合だけど、拡張ボードをつまんで上に持ち上げただけでスルっと抜けてしまった。
ROMはMODEM、MaNa1.04、漢ROMの3種類のEPROMがささっていた。
PowerLEDの配線のとり回しは、基盤の設計が悪いのか、装置の端から端へ渡るように張られていた。
主な石
V9958 YAMAHA(アスキー) | M27C1001-12F1 ROM(MODEM) |
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TMP82C265 TOSHIBA | M27C1001-12F1 ROM(MaNa1.04) |
HD64180RF6X HITACHI | M27C4001-12F1 ROM(漢ROM) |
2001年5月10日、NTTコミュニケーションから「キャプテンサービス終了のお知らせ」の手紙が届いていました。
手紙では、インターネットの普及をあげています。
96年8月、我が家にキャプテンシステムがやってきた時に「よくぞ活きていたもんだ」と感動していた次第ですが、やはり寄る年波には勝てないってことですね。
しかし、キャプテンシステムが終了してもアンケート調査はなくなりません。
キャプテンシステムからWebブラウザーを使用するシステムに切り替えて続きます。
但し、特定番号へ接続するのでインターネット経由ではないです。端末もMaNaに代わり、NCに切り替わるようです。(実際の運用開始は6月から)
しかし、NTTコミュニケーションがサービスを提供していたなんて知らなかった。