横須賀市開発基本計画の素案への意見

基本計画の素案への意見


広報よこすか8月号で紹介された基本計画素案に対する意見および質問をいたします。

また、同紙に掲載されていた市長の挨拶で述べられている内容も素案に大きく影響しているので、この内容も含めて意見、質問をさせてもらいました。
基本計画の素案の概要に対する意見や質問は、素案内容の各項目毎にその見出しを記載後、→の後に続いて記述しています。

なお、この内容は次の私個人のホームページ上にも掲載します。

../../yokosuka/caution.html


市長の挨拶に対する意見/質問


1997.6.29の市長選挙で現市長は2期目となった訳で、「私は、多くの市民のご支持を得て去る六月二十九日の横須賀市長選挙で再選されました。」と市長の挨拶文中でも挨拶をしています。
しかし、今回の選挙の実態を良く見ると、このときの投票率は32.22%で、その中での得票率は72%あったものの、全有権者数からみれば23%の支持しか得られていないと言う事実があります。
このような選挙結果にも関らず、「多くの市民のご支持を得て」と納得してしまうのは考え方が浅はか過ぎないでしょうか。
八割の市民がそっぽを向いた市長選挙の事実から、多くの市民が横須賀市政にあきらめを感じているとは思わないのでしょうか。
また、他から注目を浴びるようになったので横須賀市の取組は正しく評価されていると言っていますが、どこの市町村も財政難で苦しんでいる時に短期間で山を削り、海を埋め立てればどんな市町村でも良い悪いは別として注目は浴びるものです。当然、関係業者からは優良市町村として注目は浴びるでしょう。
他からの評価よりも、市民の評価を気にするようにしてください。他からの評価をあまりにも気にしすぎ、市民に取って大事な物が失われていくのはあまりにも悲しすぎます。


基本計画の素案の概要に対する意見/質問


●横須賀の基礎的な課題
(1)人口構造
→1世帯辺りの子供の平均人数が2人を割っている現在において、人口の高齢化、減少化問題は加速的に全国的に問題となると多くの有識者が予測しているにも関らず、ここで、若者の流出を押さえ、流入を増やす事を課題とするには無理があります。
絶対数が減るのですから、他の地方自治も必至です。このような時は無い物ねだりをするのではなく、現実を正しく見極め、対応する心構えが必要と思われます。
人口が減って、高齢者が増えた場合の問題点はなにかを整理し、少しでもその問題点をなくす事を課題とする事の方が堅実です。

(2)自然環境
→市民が横須賀に住み続けたいと言う理由に自然環境の良さが有る事を認めていますが、これはまさにそうだと思います。自然が豊かなにもかかわらず、通勤圏内にある贅沢な町です。
横須賀で生まれた人でも、都市化されたコンビニエントな生活が好きな人は東京、横浜に引っ越しているだろうし、仕事も必要だが自然が好きだと言う人は横須賀に残っています。
横須賀で生まれ育った横須賀市職員から田舎臭いから横浜に引っ越したと言う話しを聞いたり、通勤は楽ではないにしても海と緑に囲まれた環境が好きだから生まれてこの方ずっと横須賀と言う方から電子メールを貰ったりします。
私は渋谷で生まれて蒲田で育った都会っ子でしたが、こちらに住むようになってからは戻る気は露一つありません。

(3)交通、情報ネットワーク
→慢性的な渋滞を指摘していますが、特に夏のレジャー渋滞は酷いですね。市民生活を脅かしています。夏以外は混みこそはすれ、市民生活が脅かされるような「渋滞」なぞは有りません。
夏の渋滞は、半島の袋小路的な地理的条件に時期的に集中する車を受け入れる設備がないからと思います。でも、車を受け入れる設備を作っても限度があります。と言うよりキリが無いと思います。
車の流量が増えることで車公害も増えるし、車の増加は良いことは有りません。
また、道路も下手に広くすると、逆に交通事故が増える危険性が事実あります。
また、今の時代、車至上主義は時代錯誤になりつつあり、静かで無公害な交通手段を考察していくほうが進んだ行政と言えるのではないでしょうか。
たしか金沢や鎌倉でやっていた車の流入規制は効果的であり、流入規制を受ける側となる訪れた人達にも渋滞のストレスがかからないと言うことで好評で有る事をニュースがリポートしていました。
高度情報通信ネットワークの整備も課題としていますが、公営の通信業者が存在しない限りインフラの整備は民間企業に任せるべきです。通信設備だからと言って、電線や光ファイバーを張るだけでは済みません。それなりにコストもかかるので採算の目処が必要です。また、通信という性格上、横須賀市内だけ安価にて高度高速通信網が利用できる様にするのは不可能です。
横須賀市としては、高度高速通信網が広がることに対する足枷となるような既存の古い条例等の見直しや、普及後発生する色々な障害を早期に予測し、手を打つことだと思います。

(4)地域経済
→新しい波に乗りやすい産業や企業、成長力の有りそうな産業や企業を促進することのみを課題にあげているのでしょうか。それはそれで大事でしょうが、しかし、これだけではいわゆる投資家の考えだけで、政治とは思えません。
昔ながらの地場産業に対してはどう対応していくのでしょうか。
安浦港の埋め立てで無くなってしまった海苔の生産などを目の当たりにすると、開発に邪魔な地場産業は保証金で対応すれば良いでしょうと思えてしかたありません。
特に、横須賀には海に依存した昔ながらの産業が多いと思いますが、横須賀市がこれからやろうとしている内容には海を潰す計画もいくつかあります。どう対応するつもりなのでしょうか。保証金や代替え産業の斡旋などでは市長が主張していた「行政の文化化」が見えてきません。

(5)財政
→財政が苦しいのはどこの市町村でも今となっては同じでしょう。
支出をおさえ、財政を健全化すると言っても、別に市民(一部、商工会議所の意見は市民の意見と感じられるところが横須賀市にはあります)が欲していない大規模事業がめじろ押しとなっていては説得力がありません。
また、接待費の伝票が黒塗りで公開されている事実(公費で行なわれる行為に市民にプライベートなどは有りません。名前を伏せたい人と接待するならば自費でお願いします)も、財政健全化に向かう説得力が感じられません。

(6)都市のイメージ
→「都市のイメージを掲げ市民の誇りとしましょう」と言う事は、目標を掲げてそれに向かう事にもなり良いことですが、そのために行政、特に公共事業に対する取組が盲目的にならないように気をつけてください。
最近では何十年も前に決めた公共事業が、その目的そのものもずれてしまっているにも関らず、一度決めたからと言って見直しがなされない公共事業があちこちで問題となっています。
公共事業を進める上での建前を「市民の誇り」と言う言葉で押し通されても困ります。


●計画の条件
1 人口
→2010年の人口を45万人(現在は約43万人)、世帯数を16万6千世帯(現在は約15万世帯)に増えると決め付け、さらに20代の定着に期待をしているようですが、ここ数年の人口推移や、最近の出生率の低下を見るとかなり無理があるような条件に思えます。
企業のプゼンテーションではないので内容の派手さよりも、もう少し足元を見た条件設定が必要ではないでしょうか。

2 産業
→第1次産業に対する見方で、「レジャー、レクレーションなどへの展開も視野に入れながら……適正な振興を図ります。」と有りますが、これは今の時点ですでに今後の開発事業で農業権あるいは漁業権が脅かされる第1次産業者には十分考慮した保証金による支援は行うが、漁場や農地の改良など純粋な第1次産業に対する育成事業は行わない市の姿勢が見えるようです。やはり市としては第1次産業の自然縮小、消滅を期待しているのでしょうか。
第1次産業の自然縮小はまさに自然の成り行きなので市としてはどうしようもないと言うのであれば、第三次産業の発展も自然の成り行きに任せずに「戦略的に育成します」と言う、かなり熱い思い入れは何でしょうか。

3 土地利用
→「…自然との共生に配慮しながら、都市の活力が低下することのないよう……総合的な土地利用をめざします。」とありますが、「都市の活力が低下することのないよう」と言う定義があいまいので、あまりにも開発事業優先に解釈が取れる内容です。例えば桜の木が1本でも残りさえすれば××開発事業に対してGOサインが出せるような下地作りをしているような気がします。
また、「自然環境の維持・保全と創造的な活用により……都市環境を形成します」と有りますが、「創造的な活用により」と言う一言が現存する自然環境を破壊する言い訳になるのではないかと危惧します。
博物館に展示してある、横須賀市を年を追って写した衛星写真でも判るように、横須賀市の緑や自然の海岸線は保護を必要とする状態にまで減少しています。
横須賀市は自然の維持された都市化を特徴とするのであれば、開発事業の発表だけではなく、ここの緑は、あるいは海岸線は未来の子孫のためにも保護しますと言う、環境保護の具体的な発表もして欲しいものです。きっと、私有地の問題だなんだかんだと言って出来ませんと言うのでしょうが、開発時に捻出される立ち退き保証料レベルの対応をもって、環境保護を目的とした保証料に適用したり、市が買い取ったり等もあっても良いと思います。
今も、緑地保護地域の土地所有者へ手数料みたいのが払われているようですが、額的には言い訳程度の内容と聞いています。また最近では、緑地保護地域として保護されていた場所かと思うと、いつの間にかマンションが出来ていたりして保護力がまるでありません。
太田和の市街化調整区域の宅地開発(西武系)は、長坂の最終ゴミ処理場(集積場)としての土地提供と汐入の士官クラブ跡地でのプリンスホテル営業を条件に許可されたと話しを聞くと複雑な心境です。


●まちづくり戦略プロジェクト

→横須賀の町造り(国際海の手文化都市の実現)として「三つの基本戦略」を掲げ、種々の具体的な公共事業計画を提示していますが、最初に「三つの基本戦略」があったわけではなく、提示した種々の公共事業計画の内幾つかの事業を正当化する為に「三つの基本戦略」を打ち立て、さらに便乗して公共事業計画を上乗せした様に思えてなりません。
今回の公共事業計画として次が掲載されていますが、少なくとも−印が付いている事業は現市長が「国際海の手文化都市」宣言をする前から決まっていた事業であり、今回のプロジェクトとはなんら関係ないものだったと認識しています。

−湘南国際村
−横須賀リサーチパーク
・横須賀流通業務拠点
・Y-HEART
・長井海の手公園
−海辺ニュータウン
・よこすかポートフロンティア
・金田湾(野比沖)人工島
・首都圏新空港
・三浦半島国営公園
−東京湾口道路
(以前はこれらの他に「立石沖人工島」の計画もあったと思いましたが、これは取りやめたのでしょうか。)

以前から予定されていた個々の事業を一つのキャッチコピーで結び付けて市民にアピールする事は別に悪くは有りませんが、だからと言って、一緒にあれやこれやと新しい複数の開発事業を打ち立てるやり方は、これら新しい事業もさも昔から計画されていたような錯覚を市民に与えかねません。また、市としてはその錯覚効果を期待しているのでしょうか。
また、市民生活とはあまり関係のない事業を、貴重な自然環境を潰してまでも押し進めるとは、市行政とは思えません。税金ももったいないし、自然環境も市民の財産です。
特に「Y-HEART」、「よこすかポートフロンティア」、「金田湾(野比沖)人工島」、「首都圏新空港」、「東京湾口道路」の事業も、わざわざ自然を破壊してまで実施する価値が見いだせません。

「Y-HEART」:
→湘南国際村、横須賀リサーチパークに続いて第三段目の研究施設となるようですが、国際村は賃貸会議場、リサーチパークは業種を限った企業団地としてしか機能しておらづ、最初の構想とはだいぶ懸け離れているように見えますが、「Y-HEART」もにたりよったりになることはないのでしょうか。まだまだ、緑を潰して作らなければいけない施設なのでしょうか。緑が潰れることも心配ですが、樹木が倒されることによって発生する相模湾への土砂の流出も心配です。
湘南国際村の開発では相模湾への土砂の流出が多くなり、秋谷の海岸沿いでは魚や海藻の水揚げが減ったそうです。(素案には関係ありませんがこの事について環境関係に携わっている市職員に尋ねたところ「樹を切ったのだから土砂が流出するのは当たり前じゃないですか」と答えただけで、樹木を倒すことで環境に与える影響の大きさについて認識を持っていない感じがありました。市職員の方々はこのようなレベルで開発事業を行っているのでしょうか、とても不安です。)

「よこすかポートフロンティア」:
→猿島と本土との海域が更に狭くなり、集まる人々や船からのゴミや廃油で、猿島周辺が持っている東京湾内ではすでに貴重な海洋環境に相当のダメージが入ります。また、御所ガ崎の環境破壊も可能性が高くなります。
馬堀海岸は、30年代後半までは海水浴場として砂浜となっていましたが、その後の埋立により今の様な住宅地になってしまい、自然な環境ではありません。
しかし、今では泳ぐことは出来ませんが房総半島を望むことの出来るストレートな海岸線もそれなりのステータスを持ち、最近では自然な海岸線と意識される方が多いです。
こんな例を挙げると開発によって自然環境が壊されても時間の経過が癒してくれるから大丈夫のようにとられてしまいますが、そうではなく、どうにか落ち着いた環境をまた引っかき回すのはやめて欲しいと言いたいのです。
これらの危険性や度重なる環境破壊を押してまでも埠頭やレクレーション設備を建設する方が大事なのでしょうか。

「金田湾(野比沖)人工島」:
→メインに海洋レクレーションとテクノスーパーライナのターミナルの誘致を掲げていますが、今の海岸線でも十分に私たちの心を癒してくれます。
市としては市外からの訪問者を増やすべきレクレーション施設は必要だと考えているようですが、現在、いわゆる北下浦海岸に訪れる人達の目的はまさに「海」です。「海」で泳ぐ、体を焼く、バーベキューをする等など「海」満喫する為にどんな渋滞であろうと皆さんやって来ます。
人を呼ぶ環境は既にあるのです。八景島の様な人工島を作るよりも、都市圏唯一のロングビーチを三浦市と協力し、「海」守り、それをアピールするべきです。

「首都圏新空港」:
→地球温暖化やオゾン層の破壊を考えると、今後飛行機の利用は押さえらるのではないでしょうか。その中で、羽田空港も広くなって24時間運営が始り、何で今更横須賀が空港を誘致しなければいけないのでしょうか。
海上とは言え、風の状態によっては陸地に飛行コースを取るときもあり、騒音の問題はぬぐえません。ましてや離着陸失敗による飛行機事故の恐怖を何で市が率先して市民に与えるのでしょうか。市の考えが判りません。
何を目当てに三浦市にも迷惑をかける空港を誘致するのでしょうか。

「東京湾口道路」:
→この計画は以前からあったものの、川崎と木更津の間の「東京湾横断道路」の様子を見てから、再計画を練る勇気が必要と思います。
また、これができると京葉工業地帯と接続することになるので大型トラックやトレーラーの交通量が増えることになり、車公害の悪化が心配です。
厚木の129似沿いに住んでいる知人の家では大型車の排ガスの影響で窓を開けていられませんし、洗濯物もすすけてしまう日もあります。横須賀がこんな町になってしまうのはごめんです。
これは、横須賀市ではなく国の事業だからと逃げられてしまうと、素案の一部に組み込まれているいじょう市民として納得は出来ません。


●まちづくり政策

1 「いきいきした交流が広がるまち」をめざします。
→市外から多くの人が訪れ、いきいきした交流を目指しているようですが、市内の市民の税金が使われた立派な設備の中で、市外の人同士が交流されてもなんの市民生活の向上につながりません。水が出ないとか、手すりが腐っているような施設では困りますが、ハードの充実より、本当に交流したいのであれば企画の充実ではないでしょうか。
でも、色々な人達と交流したいと思う積極的な市民は市がお膳立てをするしないに関らず、各自で種々の行事やボランティアに参加しているし、特に交流したいと思わない市民は今のままで良いと思っており、市が無理やり交流させるわけにもいかないはずなので、この政策は一体何なんでしょうか。
何らかの施設をとにかく作るために用意した、それを作るためだけの言い訳にしか聞こえないのですが。
健常者は積極的に活動できるが、ハンディキャップを持っている市民はどうするんだと言う声もあるでしょうが、それは後述の「4 「健康でやさしい心のふれあうまち」をめざします。」の政策を徹底させることで生活環境がバリアフリーにしていくことで、各自の意志で活動ができる町造りを目指した方が健全です。

2 「海と緑を生かした活気あふれるまち」をめざします。
→漁獲があがれば漁業関係者は活気づきますし、豊作になれば農業関係者も活気あふれます。奇麗な海や緑に接するだけで市民はリフレッシュするし、子供達も健やかに成長します。
いずれも、自然が健全な状態であれば、健全な状態を維持できれば、特別な開発事業を起こさずとも市民は活気づき、笑顔が絶えないはずです。
横須賀市がこれからやろうとしている内容は、海を汚し、緑を削いで人工的な物を用意することしか見られませんので、どうもこの政策には首をかしげます。

3 「個性豊かな人と文化が育つまち」をめざします。
→これは、前述の1の内容と同様に、市民にとっては余計なお世話であり、何かの施設を作るための、作るためだけの言い訳にしか聞こえてきません。

4 「健康でやさしい心のふれあうまち」をめざします。
→保健、福祉、医療を充実させ市民への安心を保証する政策は支持できます。特に福祉でのバリアフリー政策は徹底するべきです。
医療に関しては、医者の都合で行なわれる診療や薬付け医療の見直しと自己治癒力の増加を狙った医療に対するバックアップを行うべきです。
他の不純な政策が見直され、この政策に対する会計が明朗であり、無駄ない業務が行なわれるのであればこれによる税金の負担増もやむ追えません。

5 「安全で快適に暮らせるまち」をめざします。
→この政策も前述の4と同様、政策として大事な項目であると支持します。市としては人を増やしたがっていますが、人が増えれば、犯罪も増えるし、モラルも低下します。国際交流社会と銘打って外国人も増えれば犯罪の内容も変わってくるでしょう、被害内容も大きくなって来るでしょう。
人が増えれば増えるほど良いことも有るでしょうが、悪いこと(収拾が収まらないこと)の方が加速度的に増えていくのが世の常で、それを押さえるための予算は急激な増加を必要とすると思います。
便利で金のかかった施設がいっぱい有るけど変な事件が多い町と、ちょっと不便だけど事件の無い平和な町が有るとき、私は家族のためにも後者を選びます。


●まちづくり政策の具体的な施策
→汐入の士官クラブ跡の再開発事業(芸術劇場、プリンスホテル)や不入斗体育館の改修事業や今後予定されている横須賀駅操車場跡地の再開発事業(健康センター)等が例に挙げられると思いますが、既にある施設を見直すことによって発生する必要な改修改築工事レベルや、他施設への転換工事は既存の市民財産を有効に生かす上でも必要だと思います。
しかし、今の時代に貴重な環境資源を潰してまでも実施する事業、しかも直接市民生活には関らない施設の建設の為に行う事業は、自動車公害も含めた環境保護、財政引き締め、ゴミ問題からみて絶対に反対です。特にレジャー施設の整備促進をするぐらいなら、災害や福祉、ゴミ関係に予算を回すべきです。特に、長坂の埋め立て地も一杯になってしまい、他の地域にご迷惑をかけるようになってしまった横須賀としては、レジャーに掛ける税金をゴミ対策にまわし、積極的なゴミ行政を取り組むべきです。もしかして、汐入のプリンスホテル誘致の様に、何らかの公共事業協力等の見返りとして、業者に対してレジャー施設のような物を市が建設許可を出しており、そのつじつま合わせをしているのでしょうか。

道路行政も、車ばかりでなく歩行者にも目をむけてもらいたいものです。通学路でありながら歩道が無いところや、ガードレールさえ所が横須賀市内には沢山あります。ここら辺をないがしろにして、道幅ばかりを広げても市民が納得するとは思えません。本当に横須賀を担う若者が大事ならば、子供の命を交通事故から守る施策を見せてもらいたいものです。今回の素案には関係ありませんが、三春町と大津にかかる、16号にぶつかる134号で車道の拡張工事を見ましたが、そこでは車道を広げる代償に歩道を潰していました。歩道沿いの建物が拡張工事にあわせてセットバックする気配もなく、横須賀市の道路行政は一体何をやっているのか判りません。134号は国道だから市は関係ないと言われてしまえばそれまでですが。

都市の景観づくりをする事業も予定されていますが、都市の景観などは市内でのぽい捨てが無く、設備のメンテナンスが行き届いており、都市開発に一定の規律規制があれば自然に良くなるもので、何らかの施設を造らなければ景観が良くならないと言う発想は税金の無駄遣いであり、やめてもらいたいものです。
ヨーロッパや地中海沿岸の町並みが奇麗なのは、何かの公共工事を行ったではなくその都市開発に一定の規律規制が行われているからです。
横須賀市職員や議員が研修と称して何処に海外旅行しているか知りませんが、この程度の事は知っていると思っていました。
でも、こんな事を言うと個人の財産に対して強い規制は出来ない等と答えるかもしれませんが、町の景観維持と言うのは、マンションで言えば専有部分の管理に似ていて、個人の所有であるが所有者の理解の元にその使い方に制限を加えていかなければ成立しません。
税金を使うだけが策ではないはずです。市民にも意識を持って参加してもらわなければいけないところは何らかの強制力も必要です。

若年人口を増やそうと言うもくろみがあるにもかかわらず、治安に対する施策が見られないのですが特に計画は無いのでしょうか。人が増えれば治安が悪くなるのは当然で、特に最近は特殊な犯罪が増える傾向にあります。横須賀市内には田浦、横須賀、浦賀の警察署しかなく久里浜から西地区にかけての治安悪化が懸念されます。


●まちづくりの推進姿勢
→「総合計画市民集会」を開いて市民の意見を聞きましたと言っても、全てが平日であり、参加できるのは主婦、自営業、年配者に自然と絞られてしまっているはずです。また、一万人からアンケートを取ったと言っても横須賀市民有権者数の一割にも達していません。さらにアンケートを取った各人の年齢や地域等が知らされていない状態で、「これが市民が望んでいる内容です」と言われても納得できません。一万人の声が無駄だとは思いませんが、市民の声と断定するにはまだまだ偏り過ぎている思います。本当に「市民協働によるまちづくり」を歌うのであれば、少なくとも各有権者宛には資料やアンケート用紙を配付すべきだと思います。
また、以前、新空港誘致調査に当たっては三浦市、横須賀商工会義所とのみ連絡を取り合うが、地域住民との連絡は予定にないと市行政管理課より聞いています。このような現実も踏まえても、横須賀市が考えている市民の代表は商工会議所であり、地域住民は眼中にないように思えます。このような背景もあるので、今回の計画に対して本当に賛成、反対全ての声を聞いているのか疑いたくなってしまいます。


最後に


この内容を記述するに当たって素案を何回も読み直しましても、地に足が付いていないと言うか、市民生活を思っての計画とは思えません。市民生活に関係する施策もありますが、今回の素案の屋台骨は市民の要求に沿った内容と言うよりも、業者から提案された内容と受け止められます。
また、色々な施設や設備を作りたいと言う気持ちは判りますが、作った後もメンテナンスの為に年に何十億、何百億もの費用が発生し、それらも税金で賄わなければいけないと言うことが頭に入っているのでしょうか。
財政難であり、今後も人口の高齢化などで大幅な収入増が予測できない時には、少しでも支出を押さえる施策を提示していただきたいものです。


−以上−