千明@横須賀からの回答
以下の文書は、「横須賀市開発計画に対する公開質問書」に対して、市側が回答してきた文章のテキストイメージです。
横市市第152号
平成8年10月9日

千明様

横須賀市 沢田秀男
(公印省略)

横須賀市開発計画に対する公開質問書について(回答)

日頃から市政発展のためにご協力いただきましてありがとうございます。
お申出のありましたことにつきまして、つぎのとおり回答いたします。

1「海辺ニュータウン沖の更なる埋め立て」について

横須賀市は、東京など他都市に依存した地域構造となっており、経済の活性化などは様々な課題を抱えています。 また、「軍港」・「米軍基地」などのイメージから横須賀の新しいイメージを作っていくことが若い人々に明るい未来をもたらすうえで不可欠です。 このため、横須賀市が独自の個性を発揮し、 自立した都市として発展するためには、新しい都市のイメージのもとに様々な目的で本市を訪れる人(交流人口)を増やし、活力ある都市づくりを推進することが必要です。 これらの課題の解決を図るためには、三方を海に囲まれ平坦地が少ない本市にとって、 臨海部の活用が極めて重要な要素となっています。 このため、平成5年6月に横須賀港港湾計画を改訂し、海に開くポートフロンティア計画として位置付けました。 海を生かしての他都市との交流、内貿物流機能・臨海道路の整備、マリーナを中心とした海洋性レクレーション拠点の形成、市民が自由に参加し楽しめる空間、憩い・安らぎ空間の創出、緑地公園、人口海浜(人工海浜と思いますが原文通りです)の整備などを計画しました。 海辺ニュータウン地先の埋め立て計画は、このポートフロンティア計画の一部として位置付けられ、海洋性レクレーション機能を主に分担する計画となっております。その内容は、客船埠頭の整備、マリーナ整備、親水性緑地の整備、大規模地震に対処するための耐震強化岸壁整備、交流拠点の形成を目指すものです。本市の資産である海を通して市民が国際交流など多様な交流を図れる場を創出することによって、活性化を図って参りたいと考えています。 埋め立てにあたっては、人が海を身近に感じられ、市民に親しんでいただける磯場の創出や、傾斜護岸の採用による藻場の創出など検討し、極力自然との共生を追及していきたいと考えております。

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2「人工島」について


金田湾海上都市建設予定地
三方を海に囲まれた横須賀市においては、今後の発展を図る上で海と陸とを一体化した地域振興を図ることが不可欠であるとの認識から、昭和60年に横須賀海上都市構想協議会が設置され、
「横須賀三角海上都市構想」が提言されました。 その後、構想の実現を目指して、国との共同調査としての構想策定調査を平成5年まで実施し、平成6年3月調査報告書(総括版)としてまとめられました。 東京湾海上都市(馬堀海岸沖の人工島)は、「横須賀市の新たな成長の核と都市空間の創出」を目指し、新都市機能、商業・業務機能、研究開発機能、住居機能、物流拠点機能、アメニティ機能、水産機能の導入を図ります。また、既存の漁業振興を図るため、周辺水域の有効利用を図ります。 金田湾(野比沖)海上都市(北下浦海岸沖の人工島)は、「首都圏の海洋性レクレーション基地の創出」を目指し、海洋性レクレーション機能、水産機能、研究開発機能の導入を図ります。(回答書本文にはありませんが、金田湾人工島には「超高速貨物船」の基地も置きたいようです) 相模湾海上都市(立石沖の人工島)は、「海を知り体験する空間の創出」を目指し、海洋性リゾート機能、海洋開発研究機能、国際交流・地域交流機能、水産機能の導入を図ります。 このように、3つの人工島は、各々の地域特性に配慮し、背後地域の活性化を図るとともに、3.海上都市の連携及び陸域との連携により半島全体の活性化を目指しています。 なお、実現に向けては、金田湾海上都市から実現されるよう提言されています。 以上述べましたが、これらはいまだ構想の段階であり、今後更なる検討が必要と考えています。 また、実施計画策定にあたっては、環境に十分配慮するとともに、多くの市民のみなさまのご意見をお聞きしながら、進めてまいりたいと考えております。

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3「破壊型都市」について

本市の都市づくりを進めるにあたっての考え方として「共生」と「交流」を大切にしていかなければならないと考えております。 「都市と自然環境」の側面で考えたとき、今まではとかく対立した概念としてとらえてきましたが、これからは自然の大切さを十分認識し、自然を保全し、創出し、活用して都市づくりを進める 「都市と自然環境」の共生という考え方を大切にしていかなければなりません。 本市もこの考えのもとに都市づくりを進めてきましたし、今後も進めていきますので、決して「破壊型都市」となるような行政を進めようとは考えておりません。

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4「車の流入量を規制する施策」などについて

日本の人口については、2010年頃をピークに減少すると予測され、本市も同様の傾向です。この人口の減少は、都市の活力を低下させる可能性があり、このため活力のある都市となるには、交流人口を増加させることが必要です。この考えのもと今後とも交流人口の増加を図っていきたいと考えています。 この 交流人口の増加を支えるインフラとして道路は大切であり、今後とも道路の整備・建設を推進してまいりたいと考えております。 ご提案の大規模駐車場の設置につきましては、現時点では考えておりませんしまたその様な用地もございません。 新交通システムにつきましては、本市でも種々検討してまいりましたが、採算性の面や現状の道路幅員などを考慮したとき、実現性は困難であるとの結論に至りました。今後新たな交通システムなどが開発された時には検討したいと考えております。

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5「ごみ問題」について

人口が増えることにより当然ごみ発生量が増大していくと考えられ、ご指摘のようにごみの発生量が増えることによる財政的負担は大きくなると考えられます。 しかしながら、ごみ問題に対しては、その発生を抑制し、排出されるごみの減量化や、資源化に向けて企業、市民の協力を得ながら取り組んでまいります。

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6「開発計画の推進」について

まちづくりの主体は市民であるとの考えのもと、現在、本市が計画誘導でまちづくりを行う場合は委員会などを設置し、その中で十分に議論を進めております。多くの委員会は、公募による市民委員、市議会議員、学識経験者、各種団体の人々と、幅広い委員で構成されています。また、市議会に関しましては、関連予算審議の際、計画の全体像を示した上で議論をしていただき議決をいただいております。また、必要に応じて市議会へ報告しております。湘南国際村、横須賀リサーチパーク計画においては特に地元の方々への説明会を数多く開催し、ご理解を得て着手いたしました。 今後とも、町づくりを進めるにあたっては「市民協力型のまちづくり」を進めることが大切と考えておりますので、現在、より良い方策について検討しているところです。

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7「企業による開発計画」について

前段述べたとおり、自然は大切な財産であると認識しておりますが、企業などの所有している土地の利用に関しましては、法律上の規制は種々ありますが「法律の範囲内で自由」というのが基本となります。そのため、企業などの協力を得てどのように自然を保全していくのかが大変重要な課題となっております。現在は、「地区計画制限」による緑地の指定や、住民同志による「緑地協定」などの誘導に努め、緑の保全を図っております。

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以上のとおり回答させていただきましたが、ご返事が遅れたことをお詫び申し上げますとともに、今後とも市政発展のためご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

(事務担当は、市民部市民生活課市民相談室 電話 22-8114 直通)


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